製薬業界の「不正」から学ぶこと | ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社

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  • ブログ2023.11.06

    いつもお世話になっております。

    PHJの堀内です。

     

     

    企業の「不祥事」は、なぜ?起こるのでしょうか。

     

    10月23日

    「サワイなら安心だ、と思っていた患者さんや医療機関の期待を裏切ってしまったことに、心からお詫びを申し上げる」

    沢井製薬の澤井光郎会長の記者会見での反省の弁。

    胃薬「テプレノンカプセル50mg『サワイ』」で、品質試験における不正が2015年から継続的に行われていたことを明らかに。

     

    10月17日

    厚生省は、製薬メーカーなどの治験(臨床試験)業務の支援を手がけるメディファーマ(東京都港区)が、データ改ざんなど最大123件の省令違反を起こしていたと公表。

    「測っていない血圧の数字を記録した」「治験薬が入った冷蔵庫のコンセントが抜けていたことを報告しなかった」「治験の参加基準を満たすため、呼吸機能検査で息の吐き出し方を指導していた」――。

    詳細は調査中だが、厚労省は、「不正の可能性が疑われる件数が尋常。前例のない非常に悪質なケースで、日本の治験の信頼性が揺るがされた」と。

     

    ちなみに、過去、製薬会社で、業務停止命令を受けたメーカーは、

    2021

    2月 9日 小林化工(福井) 116日間
    3月 3日 日医工(富山) 32日間
    3月26日 岡見化学工業(京都) 12日間
    8月12日 久光製薬(佐賀) 8日間
    9月14日 北日本製薬(富山) 28日間
    10月11日 長生堂製薬(徳島) 31日間
    11月12日 松田薬品工業(愛媛) 65日間
    12月24日 日新製薬(滋賀) 75日間
    2022

    3月28日 共和薬品工業(大阪) 33日間
    (厚労省・都道府県への取材に基づく)

     

    そして、これらの「不正」に共通していることは、違法行為が長期間行われていたことと、

     

    沢井製薬の調査報告書では、「不正」が繰り返されてきた背景について、「法令よりも上司の指示を優先する」という異常な組織風土があったと指摘。

     

    で、一連の業務停止命令を受けた際、協会は、

    「不健全な企業文化」があったとして、

    「上位者の指示は絶対であって下からの問題提起が許されない風土」と、

    組織風土に原因があったと。

     

    これも共通していますね。

     

    結局、相も変わらずということでしょうか。

     

    私は思うのです。「不正」の原因を、「風土」「企業文化」と責任がとれない「環境」に置くことに問題があるのです。
    「風土」「企業文化」を作ったのは誰ですか?

    責任転嫁です。その責任転嫁の「風土」を正しましょう!

     

    さて、過去にも紹介させていただいた、動機、機会、正当化の「不正のトライアングル」。

    これだけ続く、製薬業界の「不正」。業界では、「不正」を「正当化」する風土があるのではないでしょうか。

     

    2009年に、ジョナサン・マークス氏によって提唱されたモデル。

    動機、機会、正当化、能力、傲慢さの「不正のペンタゴン」。

    「傲慢さ」は、強力なエゴ、優越的態度、特権意識、強欲のこと。

    業界の「傲慢さ」があるのではないでしょうか。

     

    介護業界の経営者の皆様!

    製薬業界の「不正」をどう思われますか。

    不適切ケア、虐待などを「正当化」する風土はないでしょうね。

    それは、職員本位という「傲慢さ」から、暗黙のルールとなっている場合があります。

    「前車の覆るは後車の戒め」です。

     

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