社会福祉法人は「営利を追求してはならない」?〜「社会福祉法人の財務目的:赤字経営は許されない理由」 | ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社

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  • ブログ2024.01.12

    みなさん、お元気ですか?

     

    経営者の、施設長の、管理者の皆様。

     

    ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社(PHJ)の谷本です。

     

     

    顧客の社会福祉法人の管理職から以下のご相談がありましたので、その回答を今回のメルマガに転用します。

     

    「デイサービスの稼働率を向上させるために営業活動の促進を職員に促したところ

    “社会福祉法人が利益を上げようとするのは法律違反になるから営業活動は行いたくない”と反発されています。どうしたら良いでしょうか?」

     

    これについては当該職員の知識不足と歪曲の屁理屈ですので、正しい事実を確認します。

     

    はじめに:社会福祉法人のミッションと誤解

     

    社会福祉法人は、利益追求を目的としない非営利組織です。そのため、しばしば「利益を出す必要はない」とか「赤字であっても問題ない」という誤解が生じがちです。しかし、この理解は組織の持続可能性と効果的なサービス提供にとって重大な誤りです。

     

    利益とは「余剰」のこと

     

    まず、非営利とは利益を追求しないことを意味しますが、これは「余剰」を生み出してはならないという意味ではありません。利益(または余剰)は、組織が健全に運営され、将来にわたってサービスを持続的に提供できるよう保証するために必要です。

     

    赤字の継続はサービスの質を低下させる

     

    赤字が続くと、社会福祉法人は必要な資源(人員、設備、プログラム)を維持できなくなります。この結果、提供するサービスの質が低下し、最終的には利用者に悪影響を及ぼす可能性があります。

     

     

    株式会社と社会福祉法人の根本的な違い

     

    株式会社は、事業活動を通じて剰余金を生み出し、その利益を株主に分配することで株主価値を最大化することを目的としています。

    一方で、社会福祉法人は利益の最大化を目的としませんが、それは赤字経営が許されることを意味しません。

     

     

    社会福祉法人の使命:剰余金の社会的活用

     

    社会福祉法人の存在理由は、社会的使命の遂行にあります。剰余金を生み出すことは、この使命を効果的に果たすための手段です。

     

    剰余金は、制度の狭間に落ちがちな国民を迅速に救うため、また、不特定かつ多数の国民の利益を増進するために活用されます。

     

    赤字経営の危険性

     

    赤字が続けば、社会福祉法人はその社会的使命を果たすための資金を失います。これにより、社会に対する責任を果たす能力が低下し、最終的には組織の存続自体が危うくなります。

    赤字経営は、社会福祉法人にとって持続可能な運営を妨げ、社会的価値の創出を阻害します。

     

    財務健全性の重要性

     

    社会福祉法人は、持続可能な運営を実現するために、財務の健全性を確保する必要があります。これには、効率的な資源管理、費用対効果の高いサービス提供、そして必要に応じて剰余金の生産が含まれます。

     

    剰余金は再投資され、サービスの質の向上、新たなプログラムの開発、組織の成長に寄与します。

     

    結論

     

    社会福祉法人は、株式会社とは異なる目的を持っていますが、その運営においては財務の健全性が極めて重要です。剰余金を生み出し、それを社会的使命の遂行に活用することが、これらの組織の基本的な責務であり、赤字経営はその責任を果たすことを妨げます。

     

    よって、社会福祉法人が利益を追求するのは法律違反という論調は全く事実に反した錯覚ということになります。

    フォームの終わり

     

     

    では、また!