エイジズム(高齢者差別)を乗り越えるための「科学的介護」の重要性 〜老年内科の専門家医師は僅少であることを認識しましょう | ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社

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  • ブログ2023.11.01

    みなさん、お元気ですか?

     

    経営者としての、施設長としての、管理者としての、本日1日のあなたの仕事の「意図」はどのようなものでしょうか?

     

    ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社(PHJ)の谷本です。

     

     

    宮城県石巻市に、以前から、国民にとって大変重要な発信をSNSを通じてされている医師の先生がおられます。

     

    日本では正直、僅少な専門分野である(と言い切って良いと思います)、「老年内科」を専門として標榜する、「あゆみ野クリニック」(宮城県石巻市)の岩崎鋼先生です。

     

    確実に「科学的介護」に通じる知見をお持ちです。

    岩﨑先生にFacebook上でシェアの承認をいただいたので、本メルマガでシェアします。

    普通の内科が小児科に手を出さないのは、内科の知識で小児を診療する医学的リスクと、それに伴う訴訟リスクが途方もないことを承知しているからだ。

     

    子供は小さい人間ではなく、あくまで小児だ。小児科では必ず念頭に置くべき疾患だが成人で起こることはまず無いというのはざらにある。

     

    採血しても基準値自体違う。例えば肝機能の指標の1つであるALPは大人の基準値を当てはめると小児ではとんでもなく高い値になることがあるが、小児の場合ALPが大人より高いというのはかなり一般的で、それは問題にならない。

     

    そのように、成人を対象にした内科の知識はなかなか小児には当てはめにくい。

     

    一方小児科で無い内科医が小児を診療してもし不幸な転機をたどれば、親は必ず提訴する。最終的に無罪になったり、勝訴しても、「業務上過失致死」で訴えられればその医者の人生は完全に狂う。

    将来有望と目された医者がそれで医師人生を棒に振った実例は事欠かない。

    産科と小児科はそういう訴訟リスクが途方もなく大きいので、専門医以外はめったに手を出さない。

     

    一方普通の内科が高齢者を平気で診るのは、内科の知識で高齢者を診療するリスクを理解していないのと、高齢者医療は小児医療に比べ訴訟リスクは遙かに小さいからだ。

     

    小児科と違って不勉強な内科医が高齢者を診療して高齢者が死んでも、裁判を起こされる可能性も小児に比べれば遙かに低いし、仮に裁判になっても「そりゃその歳なのだから、しかたが無い」という論理が通用する。

     

    だから内科医は敢えて高齢者医療を専門的に学ぼうとしない

     

    実際は小児が小さい大人で無いのと同じく、高齢者も成人とはまったく違う。

     

    一般成人を扱う内科医の常識で後期高齢者を診療すると、様々な過ちをする。

     

    例えば誤嚥性肺炎は要介護状態の高齢者では頻発するが一般成人で診ることは稀だ。

    一方誤嚥性肺臓炎は成人でも起きうる。

    誤嚥性肺炎は本質的に感染症だが、誤嚥性肺臓炎は化学反応による炎症であって、厳密には感染症では無い。

     

    しかし高齢者では誤嚥性肺臓炎を契機にして細菌による肺炎という感染症が起こることは珍しくない。

     

    この辺りは誤嚥性肺臓炎と誤嚥性肺炎の区別を知っている感染症専門医ですらきちんと認識していないことがある。

     

    また一般成人で逆流性食道炎があれば胃酸を減らす薬であるPPIを使うが、後期高齢者ではそもそも胃酸は非常に減っていて、同じ症状でも胃酸が過剰に出ていない機能性胃障害の可能性が高い。

     

    こういう高齢者に安易にPPIを使うと病状が改善しないばかりかせん妄を起こすことがある。それをPPIによるせん妄だと気がつかずに抗精神病薬を足すと、今度は嚥下障害による誤嚥性肺炎やふらつきによる転倒骨折が生じる。

     

    こういう知識は、高齢者医療が専門では無い内科医はほとんど持っていない。

     

    持っていないのだが、どうせ小児科と産科以外の全ての診療科には大勢の高齢者が来て、高齢者医療の専門知識に乏しくてもそれで高齢患者が減るわけでも無い。

     

    しかも訴訟リスクも低いから、一般内科は平然と高齢者を診療して、平然と間違いを犯す。

     

    小児科や産科と違い、間違って患者が不利益を被ってもほとんど訴訟リスクが無いから、平然としていられる。

     

    だから小児科は専門領域として尊重されるが老年科は顧みられない。

     

    一時医学部にたくさん老年科や高齢者医療の診療科が設置されたが、皆採算が合わず閉鎖されたり他科に吸収されている。

     

    小児科も採算は厳しいが、小児科の専門性は社会的に強く問われるのに対し、老年科、高齢者医療の専門性は社会が厳しく要求しないので、高齢者医療の専門性は保険診療でも評価されず、リスクもないので知識が無くても平然とやれるから、結果的にそう言う能力に何もインセンティブが無いから、どうでも良いことになってしまっている。

     

    この状態をPHJは「制度的エイジズム(高齢者差別)」と表現し、人権侵害と捉え

    「8つの介護倫理」教育スキームの柱としています。

     

    この現実は、日本の全国各地で、「ある」ことです。

     

    それを「介護保険法」で、なんとかするしかないのです、医療ではなく、「介護=科学的介護」で、老年期の健康の回復と維持をするしかないのです。

     

    だから、医師の専門的常識、看護師の専門的常識、理学療法士の専門的常識を超えた、理論や事例、アウトカムが出てくる。

     

    これにコンセンサスを作るために厚生労働省が乗り出しているのが「科学的介護」ということになるのです。

     

    このムーブメントの先頭に立つ「義務」があるのは、ご承知でしょうが、「社会福祉法人」ということになります。税制優遇(税金払っていない)されているんですから。

     

    ジャニーズ問題じゃないんだから、見て見ぬ振りは許されません。

    社会福祉法人はNHKみたいなものです。他の法人格は民放でしょう。

     

    BBCに取材させましょうか?

     

    「社会福祉法人」の経営者の皆様。人間として正しい生き方を選択しましょう!

     

    お子様や、お孫さんに恥じない生き方、背中を見せましょう。

     

    現場の反対を上手に煙に巻くお手伝いを、谷本がさせて頂きます。

     

    では、また!