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みなさん、お元気ですか?
経営者としての、施設長としての、管理者としての、本日1日のあなたの仕事の「意図」はどのようなものでしょうか?
ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社(PHJ)の谷本です。
俗に、介護現場はPDCA(計画―実行―検証―改善)が苦手という説があります。
理由は、「人材不足」だから・・・・という意見が出ますが、果たしてそうなのでしょうか?
はっきり言って、どの業界でも人手不足ですが、それがPDCAが機能しない理由にはならないと思います。
介護現場には、というか、介護経営者には甘えがあるのではないでしょうか?
やはり、今の日本では、人手不足は多くの業界で一般的な問題であり、それだけがPDCAサイクルが機能しない理由にはならないと思います。
介護業界においても、経営者の役割は非常に重要であり、時にはその姿勢や管理手法がPDCAサイクルの有効な運用を妨げている場合があるのではないでしょうか?
以下はそのような場合に考えられる要因です。
1.ビジョンや方針の不明確さ: 経営者が明確なビジョンや方針を設定していないと、スタッフは
何を目指して PDCAサイクルを回すべきかが不明確になり、効果的な計画や行動が取れない。
- 2.リーダーシップの不在: 経営者が現場の問題に対するリーダーシップを発揮しない場合、
スタッフは自ら問題を認識し、改善する動機を得にくい。
- 3.資源の不適切な配分: PDCAサイクルを効果的に回すためには、必要な資源(時間、人員、予算など)
を適切に配分する必要があります。それが不足していると、サイクルは停滞します。
- 4.データドリブンな意思決定の不採用: 経営者が感覚や経験だけで意思決定を行い、データに基づいた
客観的な分析を怠ると、PDCAサイクルは機能しません。
- 5.コミュニケーションの不足: 経営者とスタッフ、または経営者同士のコミュニケーションが不足して
いると、PDCAサイクルで得られるフィードバックが適切に共有されず、改善が進まない。
- 6.継続的な改善の文化の不在: 一度設定したプランや方針に固執し、継続的な改善の文化が根付いて
いない場合、PDCAサイクルは形骸化します。
7.リスク回避の姿勢: 新しいことに挑戦することがリスクとされ、失敗を許容しない経営文化では、
スタッフもPDCAサイクルを回すことに消極的になります。
以上のような経営者の問題が影響している場合、確かにその「甘え」や不備がPDCAサイクルの機能しない一因となる可能性があります。効果的なPDCAサイクルの運用は、経営者がしっかりとしたリーダーシップと方針を示すことから始まると言えるでしょう。
皆さんは「甘えの構造」という言葉を聞いたことはありますか?
“甘えの構造”というフレーズは、多くの場合、日本の心理学者・臨床医である竹内均による1973年の著作『甘えの構造』に由来しています。この著作では、日本特有の親子や上下関係における「甘え」について深く探求されています。竹内は、「甘える」とは自分の責任や義務を他者に預ける行為であり、それが日本の社会・文化に深く根付いていると論じています。
この概念を介護現場の課題に当てはめると、いくつかの面白い洞察が得られるかもしれません。
1.経営者とスタッフ間の関係性: 経営者がスタッフに過度に依存し、「彼らが何とかしてくれるだろう」
という甘えの心理に陥ると、PDCAサイクルのような組織的な改善は後回しにされがちです。
- 2.スタッフ同士の依存: 一方で、スタッフが経営者や他のスタッフに依存するあまり、自ら積極的に
問題を解決しようとしない場合もあります。これは竹内の言う「甘え」の一例であり、個々の
自主性や責任感が乏しくなる可能性があります。
- 3.患者や家族との関係: 竹内の「甘え」の概念は、患者や家族が介護スタッフや施設に対しても
当てはめられる場合があります。過度な期待や依存は、スタッフに過大なプレッシャーをかけ、
質の高いケアの提供を妨げる可能性があります。
- 4.文化的な要素: 竹内が主張するように、「甘え」は日本の文化や社会に特有のものかもしれません。
この文化的な背景が、組織内での責任の所在を曖昧にして、組織全体としての改善が遅れる要因と
なる可能性も考えられます。
5.対外的な依存: 経営者が外部の規制や補助に頼りすぎると、自社での問題解決や改善が後回しに
される可能性もあります。この点も「甘え」の一環と言えるでしょう。
このように、竹内の「甘えの構造」は介護現場の課題とも関連していると考えられます。
ただし、この概念はあくまで一つのフレームワークであり、それだけで介護現場の複雑な課題がすべて解決するわけではありません。
それでも、この視点を持つことで、問題点に対する新しい洞察や解決策が見えてくるかもしれません。
では、また!