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いつもお世話になっております。
PHJの谷本です。
認知症患者に対する身体拘束の実態は、日本の精神医療の中で長らく深刻な課題として挙げられています。
この背景には、エイジズムが明確に絡んでいる可能性もあり、その点を中心に論じます。
厚生労働省の「精神保健福祉資料」によると、2022年6月30日時点で精神科病院や一般病院の精神病床に、認知症で入院している患者は7万2929人、1998年との比較では1.5倍に増えています。
精神病院の前入院患者の3割弱を占めているようです
日本経済新聞が都道府県別に拘束指示率を集計しました。
認知症で身体拘束が最も多い地域は、山形県で1153人中193人(16.7%)、最も少ないのは岡山県で1330人中12人(0.9%)でした。
ここで、「エイジズム(高齢者差別)」と認知症患者の身体拘束との相関関係を論じてみたいと思います。
日本では、認知症患者に対する身体拘束の頻度が高いことが指摘されてきました。身体拘束は、患者の安全や他者への危害防止を目的として行われることが多いが、患者の人権やQOL(生活の質)への影響も問題とされています。
日本の精神病院における認知症患者の身体拘束の問題は、エイジズムとも関連していると考えられます。患者の尊厳や人権を守るため、そして高齢者や認知症患者に対する社会的な認識を変えるための取り組みが急速に求められています。
そんな中、こんな事例もあります。
東京都立松沢病院の身体拘束削減の取り組みです。この取り組みは、日本国内での認知症ケア改善の先駆けとして注目される事例の一つです。
以下、この取り組みについて論じてみます。
東京都立松沢病院の身体拘束削減取り組み
多くの日本の精神医療・ケア施設では、身体拘束が一般的な介護・治療の一環として行われていました。しかし、身体拘束は患者の身体的・精神的健康に悪影響を及ぼすことが知られており、国際的にもその削減が求められていました。
松沢病院はこれらの取り組みにより、身体拘束の回数を大幅に削減することに成功しました。これは、身体拘束を減少させることが可能であること、そして適切なアプローチや環境整備がその鍵であることを示しています。
松沢病院の成功事例は、他の医療・ケア施設にも影響を与え、日本全体のケアの質の向上や、身体拘束の削減の方向性を示すものとなりました。
東京都立松沢病院の取り組みは、身体拘束を削減するための努力と継続的な改善が、患者の人権やQOLの向上につながることを示す貴重な事例です。
結果としての大きな改革や変革は、往々にして、リーダーシップの中心にいる個人の誠実性や倫理観、ビジョンから始まるものです。東京都立松沢病院の身体拘束削減の取り組みも、その典型的な例と言えるでしょう。
リーダーシップの力: 東京都立松沢病院の身体拘束削減取り組み
多くの組織や施設において、リーダーの役割は極めて重要です。リーダーの価値観、ビジョン、そして意志が、組織全体の方向性や文化を形成します。そのため、リーダーの誠実性や倫理観が高ければ、それが組織の源泉となり、ポジティブな変革への大きな力となるのです。
松沢病院の取り組みが成功した背後には、経営者や院長の強い意志やビジョンがありました。身体拘束の問題を真摯に受け止め、その削減を真剣に目指す姿勢が、スタッフや患者、その家族たちにも伝わり、全体としての取り組みを前進させました。
経営者や院長の誠実性や倫理観は、組織の中の各メンバーに影響を与えるだけでなく、外部の関係者や他の施設にも影響を与える力があります。松沢病院の事例は、他の施設や関係者にも触発し、身体拘束の削減という目標に向かっての取り組みを加速させました。
一人のリーダーの誠実性や倫理観が、組織全体の文化や価値観を変革する力となります。このような変革は、組織の持続的な成長や、更なる挑戦への原動力となるのです。
結論として、東京都立松沢病院のような改革は、たった一人のリーダーの強い意志やビジョンから始まるものです。このようなリーダーシップの下で、組織全体が一丸となって取り組むことで、真の変革が実現されるのです。
要は、経営者一人が「ゼロ・エイジズム」を思想・哲学の根幹に据える、そこから全ての変革が始まる。
一人の人間の哲学の変革が、部下の哲学の変革に影響を与え、やがては組織全体の変革を実現するに至るのです。
ではまた!
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