AIの力と科学的介護:未来の介護現場を想像する | ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社

ブログ

  • ブログ2023.06.29

    いつもお世話になっております。

    PHJの谷本です。

     

    日本経済新聞の令和5年6月26日の一面に掲載された記事「人は衰退するのか」が、医療と介護の未来を思考させる契機となりました。

     

    テネシー州の医師デイビースミスさんが行った試みは、人間の医師とAI(生成AI「ChatGPT」)とが同じ医学的質問に対してどちらが優れた回答をするかを調べたもので、その結果は、衝撃的でした。

     

    AIの回答の品質は人間の3.6倍、さらに患者への共感力ではAIはなんと約10倍の差をつけました。それでは、この結果を科学的介護の現場、特に介護職とケアマネジャーの仕事に当てはめた場合、どのような影響が考えられるのでしょうか。

     

     

    最初に明確にしておきたいのは、AIが介護職やケアマネジャーの仕事を奪うということではなく、彼らの仕事をサポートし、より高品質なケアを提供するためのツールとして活用することです。

     

    例えば、AIが最新の科学的知識に基づいたケア計画を提案し、それに基づいてケアマネジャーが計画を調整し、介護職がその計画に従ってケアを提供する。このような一連のフローが考えられます。

     

    また、AIは介護職とケアマネジャーの継続的な学習をサポートします。AIが常に最新の介護に関する研究結果を更新し、その知識を提供することで、介護職やケアマネジャーは最新の情報に基づいてケアを提供し、患者のアウトカムを改善することが可能となります。

     

    さらに、患者への共感力についてもAIの活用は非常に有望です。AIは個々の患者のニーズや感情を理解し、その情報をもとに適切なケアや対応を提案することができます。その結果、患者は自分が理解され、尊重されていると感じ、介護の質をさらに高めることができるでしょう。

     

    このように、AIの活用は介護現場における新たな可能性を生み出します。しかし、AIを導入するにあたっては、その使い方を正しく理解し、倫理的な観点からも慎重に考えることが求められます。AIはツールであり、そのツールを使う人間が最終的にはケアの質を決定します。

     

    結論として、AIの進歩は介護の未来を刺激的にする可能性を持っていますが、それが成功するかどうかは我々人間がどのようにそれを利用し、組み合わせるかによるでしょう。科学的介護の未来は、人間とAIが共同で構築するものとなることでしょう。

    そして、AIの発展と普及は、確かに我々人間に倫理性や道徳観をより深く考える機会を提供していると思います。

     

    AIはあくまでツールであり、それをどのように設計し、使用するかは我々人間の手に委ねられています。この点で、AIの使用は人間の倫理性と道徳観を試すものとも言えるでしょう。

     

    特にAIが人間のように思考し、行動する領域に達すると、我々が直面する倫理的な課題はより複雑化します。AIが個人のプライバシーを侵害する可能性がある場合、その技術を使用すべきか? AIが特定の群体を差別するような結果を生む可能性がある場合、その結果は信頼できるものと言えるのか?これらは、我々がAIを利用する上で慎重に考えるべき問いです。

     

    さらに、AIがより高度になり、自己学習や自己意識を持つようになると、新たな倫理的な課題が出てきます。AIには権利があるのか? AIを「使用」することは正当なのか?これらの問いも、今後の議論を必要としています。

     

    よって、AIをまともに使いこなすためには、その技術の特性と可能性を理解するだけでなく、倫理的な観点から深く考え、対話することが重要であると言えるでしょう。これは、AIが我々人間に提供してくれる価値ある挑戦であり、それによって我々はより良い社会を構築していくことができると考えます。

     

    ではまた!

     

     

    それでは、コマーシャルです!

     

    「2024年&2027年介護報酬改定生き残るための戦略&認知症あんしん生活実践研究会」

    無料説明会を、皆様のご要望により開催が決定しました!

     

    ・7月28日(金)13時30分~15時30分

    ・7月29日(土)10時~12時

    ・7月29日(土)13時30分~15時30分

     

    下記LPをご高覧いただき、是非、ご参加をご検討ください。

     

    https://semican.net/event/posthuman/ohjtyu.html

     

    これからの介護業界を「生き残る」ために必要な情報をご提供します。