いまだに続く・・・・・「科学的介護」の勘違い | ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社

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  • ブログ2022.10.28

    いつもお世話になっております。
    PHJの谷本です。

    「科学的介護」の話について、勘違いされている経営者が最近の感覚でも、8割です。
    8割とは言い過ぎでしょうか?
    失礼致しました。7割くらいですかね?!

    古代ローマ帝国の将軍・政治家であったユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)はこう言いました。
    「人は大抵、信じたいと思うことを容易に信じる」。
    そうです、心理学で言うところの「確証バイアス」=「自分にとって都合の良い情報ばかりを無意識に集めてしまう心理傾向」ですね。

    ご自身の経営する特養や老健、施設が「お世話型介護」しかできていない場合、要介護度の軽減やADLの具体的な改善、認知症のBPSDを緩和できる(非薬物で)などが可能なケアを行うことができるようにならなければ、生き残れないなどという、不都合な可能性は信じたくないわけです。

    しかし、「沈む夕日は神様でも止めることはできない」のです。

    「科学的介護」を錯誤なく理解するポイントは、簡単です。
    どの社会福祉法人の理事長も、どの医療法人の理事長も、どのような大きな規模の介護事業を営む株式会社や有限会社の社長も、簡単には想像できないことを想像できるか否か、です。

    要介護5になって1日のほとんどを天井を見て過ごす人間の心理・精神状態を・・・・・・想像できるか、です。

    「科学的介護」を標榜している、大手上場企業が、大手新聞社に寄稿をしていたので、拝見させて頂きました。次のように論じられておりました。

    「1つは介護職員が介護の現場で高齢者と“向き合う”時間を増やし、“専門性を活かしたケア”を通じて働きがいを醸成すること(中略)、2つ目は新しい技術の導入と規制緩和である。施設・在宅における見守りセンサーのほか、体位変換、移乗などケアを支援する新しい技術が多く開発されている。(中略)このような技術を活用し、人は人にしかできないケアに専念できれば良い。(中略)世界に冠たる日本の介護をサスティナブルな仕組みに変革していきたい。」・・・・・・・・まことに素晴らしい主張です、さすが大企業の介護事業者です。

    しかし、日本の介護がサスティナブルについて危機を目の前にしている要素がこの文章にも見て取れます。

    ・高齢者と向き合う時間に、→「何をしますか?」
    ・専門性を活かしたケアについて、→→「具体的に何がどうで、どうであるから専門性が高いと評価できるのですか?」
    ・体位変換、移乗などケアを支援する新しい技術が多く開発されている、について→「これらはすべてお世話型介護が前提の技術開発なのですが、寝たきりを二足歩行に戻すことはお考えになりませんか?」
    ・重度の方が介護報酬が高いので、そのまま・・・・でしょうか?

    また、週刊ダイヤモンドでも最新号は、大手介護企業の紹介で「科学的介護」最前線!みたいな記事が掲載されていました。
    介護ICT、IOT、介護ロボットを活用しまくっていることを指して「科学的介護」!介護者が楽になる!これで介護の問題は全て解決!!!!
    ほぼ、コントの世界です。笑えませんが。

    日本の介護は世界に誇れるという言い方、「世界に冠たる日本の介護」という表現。
    「日本は実は凄い論法」の延長の感があります。

    「日本は実は凄い」のではなく、「日本は実はそろそろ本気で凄くなろうとしないと完全に危ない」のです。
    介護も同様です。「お世話型介護」は、家族でもやっています。
    否、おむつ定時交換の施設は、家族介護のレベルより圧倒的に低レベルともいえます。
    それでは、プロフェッショナルである、とはとても言えない・・・・・。(あ、ここで「現場の大変さを知らない」はNGです。言い訳&思考停止ワードとして、それは悪名が高いです。世の中に大変ではない仕事の現場は、存在しません。大変さを理解してほしいという声を世の中に発信すればするほど、介護で働く人は寄ってきません。)

    寝たきり老人が大量に多い国は、いまだに先進国では日本くらいという話が出始めてから、はや30年以上時が過ぎていきましたが、「失われた自立支援の30年」でした。

    「ナイチンゲール言葉集」から

    ・病気とは何か?病気は健康を妨げている条件を除去しようとする自然の働きである。それは癒そうとする自然の試みである。我々はその試みを援助しなければならない。病気というものはいわば形容詞であって、実体をもつ名詞ではない。
    ・全ての病気は、その経過のどの時期をとっても、程度の差こそあれ、その性質は回復過程であって、必ずしも苦痛を伴うものではないのである。

    そもそも、高齢者の場合既往症を、疾病を抱えていても、それらと上手に共生をする必要があり、恐るべきは「廃用症候群」です。「廃用症候群は回復する可能性がある」。

    生きている限り、それが高齢者であっても、生物体である限りは、「常に回復傾向にある」のです。
    回復しないのは、「回復させないケア」という環境因子=阻害因子が原因です。

    SDGs時代に「回復させないケア=お世話型介護」に、働く人が大量に集まることはなく、そのカバーは介護ロボット等では賄えません。

    働く人を集めることができるのは、SDGs時代にふさわしい、混沌とした世界情勢だからこそ、日本人の感情の劣化が甚だしい
    と危惧される今だからこそ、「誠実性と倫理観」を有した経営者が経営する社会福祉法人・医療法人・株式会社・有限会社です。

    経営者の皆さん、障がい者福祉では、障害を認定された方を称して「当事者」と呼びますが、なぜ高齢者福祉では「当事者」と呼ばないのか?その理由をご存知ですか?

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