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  • ブログ2023.12.12

    いつもお世話になっております。

    PHJの堀内です。

     

     

    昨日に続き、「注目した」ニュースの第2弾です。

     

    『相次ぐ介護施設の虐待 15年で13倍超、未然防止が課題』

     

    「介護施設の職員による高齢者への虐待は近年急増し、刑事事件に発展するケースも後を絶たない。人手不足による負担増や職員同士のコミュニケーション不足が背景にあるとされ、国は虐待を未然に防ぐ取り組みを進めている。」と。

     

     厚労省の調査によると、介護職員らによる虐待事案は令和3年度、739件で過去最悪を更新。統計を取り始めた平成18年度(54件)の13倍超にまで増加。

    要因としては「教育・知識・介護技術などの問題」が最も多く、職員のストレスや虐待を助長する組織風土などが続く。

    厚労省は、「人手不足も要因だが、職場での助け合いが構築されておらず、職員が1人でストレスを抱え込み、虐待につながっている可能性がある」と。

    令和3年4月に介護サービス事業者が順守すべき基準を定めた省令を改正。虐待を防ぐ指針の整備や、年2回以上の研修開催などを盛り込み。来年4月以降は基準の順守が義務付けられ、従わない事業者は行政指導の対象となる。

     

    ですが、

     

    「大阪府泉大津市の特別養護老人ホームで、89歳の入所者の男性に暴行を加え、その後、死亡させたとして元職員の男が逮捕」

    「奈良市内の介護施設に入居する90代の女性に暴行を加え、けがをさせた疑いで施設の職員の男が逮捕」

    など、今もこれらの事件が相次いでいます。

     

    そこで、「注目した」のが、「職員のストレスや虐待を助長する組織風土」。

    組織風土とは、組織内で共通認識とされている規則や価値観のこと。

    また、組織風土には、2つの要素が大きく影響します。

    1、組織に直接または間接的に関与している人が感じている価値観や考え方

    2、組織内で明確化されているルール

     

    ちなみに、組織風土の構成要素をより深く考える際には、マッキンゼー・アンド・カンパニーのウォーターマン氏とピーターズ氏が、組織研究を進めていく中で開発したフレームワーク「マッキンゼーの7S」が有名です。

    企業には3つのハードな経営資源と4つのソフトな経営資源があるととらえ、それら7つの資源をもとに個々の企業に最適な事業戦略を考えることができるフレームワーク。

    ハードの3S

    戦略(Strategy)

    組織(Structure)

    制度(System)

    明文化できるもので、比較的短期間で修正や変更がしやすいもの。

    ソフトの4S

    価値観(Shared value)

    人材(Staff)

    経営方針(Style)

    組織能力(Skill)

    明文化や可視化がしにくいため、コントロールが難しい要素。

     

    皆様の組織が、「職員のストレスや虐待を助長する組織風土」になっていないか、7Sで分析して見てはいかがでしょうか。

     

    いずれにしても、労働環境の変化に対応していくためにも、組織風土の改革が必要です。そして、そのことに気付き、手を打つ、そのことが介護業界の経営者に求められているのではないでしょうか。

    組織風土という環境特性を形成する最大の要因は、リーダーの覚悟です。

     

    PHJが提唱する、「PHJ-リーダーシップ・マネジメント・コミュニケーション・倫理教育メソッド【PHJ-LMCEメソッド】」は、「組織風土改革」の手法がプログラムされています。

    PHJが、「組織風土改革」のお手伝いさせていただきます。お気軽にご連絡ください。

     

    コマーシャルです!!

    「注目ください」

    「PHJ科学的介護サミット2024 in FUKUOKA」開催決定

     

    本気で科学的介護を導入した6法人の事例を特別公開!

    実際にPHJが支援をした6法人の方に登壇いただき、その成果を共有するサミットを開催します。

     

    このイベントは、未だ科学的介護を導入することに迷いがある経営者の皆様に、新たな視点を提供し、持続可能な経営と社会貢献の実現への一歩となることでしょう。

     

    ご興味のある方は、下記LPをご覧いただき、ご参加をご検討ください!

    https://semican.net/event/posthuman/noulhc.html

  • ブログ2023.12.11

    いつもお世話になっております。

    PHJの堀内です。

     

     

    先月末の、社会保障審議会介護給付費分科会の内容が公開されました。

    その中で、「注目した」のが、2024年度介護報酬改定で認知症対応力を強化するためBPSD(行動・心理症状)予防に関する加算を創設する案。

    認知症に関する新加算「BPSDチームケア加算」(仮称)は2区分設け、介護保険施設などを対象。日常生活自立度Ⅱ以上の利用者に対し、一定の研修を修了した職員が認知症の評価指標(BPSDQ25など)を用いて評価し、チームでBPSDを予防するケアを行うことなどが要件。

    他に、通所介護の認知症加算、訪問系サービスの認知症専門ケア加算について、それぞれ日常生活自立度に関する受け入れ割合の要件を引き下げ、加算の算定を促すことで認知症対応力を向上させるという。

     

    「一定の研修を修了した職員が認知症の評価指標(BPSDQ25など)を用いて評価し、チームでBPSDを予防するケアを行う。」と、認知症ケアの研修とチームでの予防が提案されています。

    今後、さらに、認知症ケアのスキルが求められてきますね。

     

    一方、ネットニュースでは、この認知症に関する現実の課題が浮き彫りになる記事が。

    『特養に入った老妻が「薬の変更」で変わり果てた姿に…悪いのは施設か、家族か。』

    「今では、この施設にしようと決めた自分が悪かったではないか、そもそも自分が病気にならなかったら妻の面倒が看られたのに……」と。

    認知症の80代老妻が「特養」に「優先入所」したところ、

    家に帰るという頻度が多くなり、職員に手をあげる、モノを投げるなど興奮状態が見られその結果、アリセプト(一般名:ドネペジル)5mgからメマリー(一般名:メマンチン)5mgに薬が変更。その後も帰宅願望が悪化して不眠状態が続いたためメマリーは10mgに増量され、不眠症の薬も加わることになってしまい、その結果、変わり果てた姿にという内容の記事です。

     

    私が、「注目した」のは、この記事に対する介護関係者と思われる方々のコメント。

     

    「認知症の周辺症状は介護職員に危害を加えるものがあるのが事実でありそれを関わり方で抑えていくのは限度があります。声掛けや接し方で治まるのであれば精神病院はないわけで。人員不足でぎりぎり回している職員達の負担が多すぎて細かなケアまで手が回らないのが現実です。」

     

    「家族の希望もあるでしょうが不満ばかりを訴えるのであれば、自宅で納得の行くような介護をされたら良いのではないでしょうか?」

     

    「高齢者施設の選択の最良が服薬調整になるのは致し方ないかと。歯痒いですが…。」

     

    「手厚い介護などは到底できません。 うちの施設は利用者10人に対して朝7時から夜22時までを基本二人で回してます。 こんな状況で完璧な介護をお願いされても無理です。」

     

    これが現実なのだと。

     

    介護業界の人手不足、増加するであろう認知症ケア、複合的な課題が、今後、益々、深刻な状況になることが予想されます。

     

    そこで、「注目したい」のが、「自立支援介護」です。

    もう一度、目を向けて見ませんか!

    「認知症あんしん生活実践ケア研究会」の第3期が、今月3日に開催されました。

    実質、1ヶ月の実践で、「ご利用者様が穏やかに、笑顔になった。」との受講者様の声が。

    多くの介護関係者の方々に、ご見学いただきたいという思いです。

     

    そして、その研究会は、「科学的介護AtoZ研究会」と名称変更し、

    さらに、多くの企業・法人の皆様に、その学びの場をご提供したいと

    考えています。

    ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。お待ちしています。

     

    それでは、久しぶりに、コマーシャルです!!

    「注目してください!」

     

    「PHJ科学的介護サミット2024 in FUKUOKA」開催決定

     

    本気で科学的介護を導入した6法人の事例を特別公開!

    実際にPHJが支援をした6法人の方に登壇いただき、その成果を共有するサミットを開催します。

     

    このイベントは、未だ科学的介護を導入することに迷いがある経営者の皆様に、新たな視点を提供し、持続可能な経営と社会貢献の実現への一歩となることでしょう。

     

    ご興味のある方は、下記LPをご覧いただき、ご参加をご検討ください!

    https://semican.net/event/posthuman/noulhc.html

  • ブログ2023.12.08

    みなさん、お元気ですか?

     

    経営者の、施設長の、管理者の皆様。

    ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社(PHJ)の谷本です。

     

     

    業務遂行能力が高いにも関わらず、マネジメントが苦手な人材について考える際、その人の強みを最大限に活かしつつ、マネジメントの弱点をカバーする方法を考慮することが重要です。

     

    以下のような立場への人事異動配置が考えられます。

     

    1. 1. 専門職や技術職: このような人材は、専門的な知識や技術を活かせる役割に適しています。研究開発、分析、技術的なプロジェクトなど、特定のスキルセットを要求するポジションが適切でしょう。

     

    1. 2. 個別貢献者(Individual Contributor): マネジメント職ではなく、個々の専門性や能力を活かして貢献する役割です。チームリーダーやマネージャーとは異なり、チームの管理や人事に関わることなく、直接的な業務遂行に集中できます。

     

    1. 3. プロジェクトベースの役割: 短期または特定プロジェクトにおいて、その人の専門性や能力を活かすことができます。プロジェクトの責任者としてではなく、重要な専門家として参加することで、その人の強みを活かすことができます。

     

    1. 4. メンターまたはアドバイザー: 経験や知識が豊富な人材は、メンターやアドバイザーとして若手職員や他のチームメンバーをサポートすることができます。これにより、彼らの知識や経験を共有し、組織全体の能力向上に貢献することができます。

     

    1. 5. クロスファンクショナルチームのメンバー: 異なる部署やチーム間で協力するプロジェクトに参加させることで、その人の技術や専門知識を組織全体にわたって利用することができます。

     

    これらの役割は、その人が持つ専門性や技術的なスキルを最大限に活かしながら、マネジメントの責任から解放されることを可能にします。

     

    重要なのは、その人の強みを理解し、それを組織の利益に合わせて最適な方法で活用することです。

     

    放任型リーダーシップを変革できないMgrへの処遇をどうすれば良いでしょうか?

    こんな質問をよく受けることがあります。

     

    放任型リーダーシップスタイルを変革できないマネージャー(Mgr)に対しての適切な処遇については、以下のステップを踏むことが効果的です。

     

    1. 1. パフォーマンスの評価とフィードバック

     

    • ・詳細なパフォーマンスレビューの実施: マネージャーのリーダーシップスタイルとその影響について詳細な評価を行います。この評価は、部下の意見やチームの成果も考慮に入れるべきです。

     

    • ・具体的なフィードバックの提供: 評価の結果を基に、マネージャーに具体的で建設的なフィードバックを提供します。放任型リーダーシップの影響と改善の必要性を明確に伝えます。

     

     

    1. 2. 教育とトレーニング

     

    • ・リーダーシップトレーニングの提供: 効果的なリーダーシップスタイル、特に部下の指導とモチベーションに焦点を当てたトレーニングを提供します。

     

    • ・メンタリングやコーチング: 経験豊富なリーダーとのメンタリングや、専門的なコーチングを通じて、新しいリーダーシップスキルを身につける機会を提供します。

     

     

    1. 3. ロールの再評価と配置転換

     

    • 役割の適性評価: マネージャーのスキルセットと役割の適性を再評価し、より適したポジションがあるかを検討します。例えば、より少ないマネジメント責任を伴う役割に配置転換することも選択肢の一つです。

     

    • ・プロジェクトベースの役割: チーム管理から離れ、特定のプロジェクトやタスクに集中する役割への変更を検討します。

     

     

    1. 4. 継続的な評価とフィードバック

     

    • ・継続的なモニタリング: 改善プランの実施後、マネージャーのパフォーマンスを継続的にモニタリングし、必要に応じて追加のフィードバックや支援を提供します。

     

    • ・成果に基づく評価: マネージャーが改善に取り組んでいるかどうかを、定量的および定性的な成果に基づいて評価します。

     

    1. 5. 最終的な決定

     

    • ・改善が見られない場合、組織の目標達成とチームの健全性を考慮して、最終的な人事決定を行います。

     

    • ・これには、役割の変更や、場合によっては組織からの退職も含まれることがあります。

     

    これらのステップを通じて、放任型リーダーシップを持つマネージャーに対して適切な処遇を行うことができます。重要なのは、個々のマネージャーの能力と組織のニーズの両方を考慮した対応を行うことです。

     

     

    いずれにしても、このような対策を的確に実行することで、組織の持続可能な経営をサポートし、従業員の離職率を改善するとともに、組織の全体的な効率と効果を高めることが可能です。

     

     

     

    では、また!

  • ブログ2023.12.07

    みなさん、お元気ですか?

     

    経営者の、施設長の、管理者の皆様。

     

    ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社(PHJ)の谷本です。

     

     

    本日は、社会福祉法人や医療法人の経営層、管理者層の中で最も多く散見される「放任型リーダーシップ」について言及したいと思います。

     

    実は、「科学的介護」を実践する法人・施設で早晩失敗したり、衰退、活動がフェイドアウトする法人・組織のリーダーシップは、100%、「放任型リーダーシップ」です。

    よって、このメルマガでは、「放任型リーダーシップ」を改革する必要性をご提案します。

     

    「放任型リーダーシップ(Laissez-faire leadership)」は、リーダーシップのスタイルの一つで、最小限の指導と介入で部下を管理する特徴を持ちます。

     

    このアプローチは、従業員が自律的に行動し、自己管理の責任を負うことを奨励します。しかし、このスタイルには長所と短所があります。

     

     

    長所

     

    1.  1.自立性と創造性の促進: 放置型リーダーシップは、従業員に自由度を与え、自分のアイデアや方法で仕事を進める
    2.   ことを奨励します。これにより、創造性とイノベーションが促進されることがあります。

     

    1.  2.従業員の自己成長: 従業員は、独自の決定を下し、自分の仕事に完全に責任を持つことにより、自己成長とスキルの
    2.   向上を経験することができます

     

    1.  3.フレキシビリティと迅速な決定: マネージャーが日々の操作に関与しないため、従業員はより迅速に決定を下し、
    2.   柔軟に対応することが可能です。

     

    短所

    1.  1.方向性と目標の欠如: リーダーが明確な指導やフィードバックを提供しない場合、従業員は方向性を失い、組織の
    2.   目標に対する理解が不十分になることがあります。
    3.  
    4.  2.不均一な成果: 自律性が高い環境では、従業員によって生産性や成果に大きな差が出ることがあります。
        一部の従業員は優れた成果を上げることができますが、他の従業員は方向性を見失う可能性があります。
    5.  
    6.  3.組織の混乱とコミュニケーションの欠如: 明確な指導やコミュニケーションが不足すると、組織内での混乱や誤解が
        生じる可能性があります。
    7.  
    8.  4.モチベーションの低下: 一部の従業員は、放任型のリーダーシップ下で、支援や認識の不足を感じることがあり、
        その結果、モチベーションが低下する可能性があります。

     

    放任型リーダーシップは、特定の状況や特定の従業員に対して効果的な場合がありますが、組織全体に適用するにはリスクが伴います。

     

    組織のニーズ、従業員の特性、および目的に応じて、このリーダーシップスタイルを適切に使用することが重要です。

     

    放置型リーダーシップが環境下でハラスメントが多発する可能性がある理由を理解するには、このリーダーシップスタイルが組織内でどのような影響を及ぼすかを考慮する必要があります。

     

     

    放任型リーダーシップとハラスメント多発の関連性

     

     1.監督不足: 放置型リーダーシップの下では、管理者や上司が部下の行動を十分に監督しないことが多いです。
      これにより、不適切な行動やハラスメントが見逃され、放置されることがあります。

     

    1.  2.コミュニケーションの欠如: リーダーが部下とのコミュニケーションを怠ると、ハラスメントの問題に気づかないか、
        あるいは問題を認識しても対応しない可能性があります。また、従業員が問題を報告しにくい環境が生まれる可能性
        もあります。

     

     3.不適切な行動の無視: 放置型リーダーは従業員の行動に対して無関心であるため、ハラスメントやいじめのような
      不適切な行動が横行しやすくなります。

     

    1.  4.責任感の欠如: リーダーが責任を取らない姿勢を示すと、従業員も責任感を持たなくなる可能性があります。
        これにより、ハラスメントのような問題行動に対する意識が低くなることがあります。
    2.  
    3.  5.ルールと規範の不明確さ: 放置型リーダーシップ下では、職場の規範や期待される行動が不明確になることがあります。
        その結果、ハラスメントが容認される文化が形成されるリスクがあります。

     

    対策

     

    「放任型リーダーシップ」によるハラスメント発生を防止するためには、リーダーシップのアプローチを見直し、次のような対策を講じることが重要です。

     

    •  ・適切な監督と介入: リーダーは従業員の行動に注意を払い、問題行動に対して迅速に対処する必要があります。

     

    •  ・明確なコミュニケーション: コミュニケーションを強化し、従業員が問題を報告しやすい環境を作ることが大切です。

     

    •  ・責任感の醸成: リーダー自身が責任を持って行動し、従業員にも同様の責任感を求めることが重要です。

     

    •  ・明確な規範の設定: 職場のルールや期待される行動規範を明確にし、これを従業員に徹底することが必要です。

     

     

    放任型リーダーシップは、ハラスメントの問題を引き起こす要因の一つとなる可能性があります。

     

    このため、リーダーシップのスタイルを適切に改革・改善・選択し、職場環境を健全に保つための適切な管理と監督を行うことが重要です。

     

     

     

    では、また!

  • ブログ2023.12.06

    みなさん、お元気ですか?

     

    経営者の、施設長の、管理者の皆様。

     

    ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社(PHJ)の谷本です。

     

     

    皆さんは、白川静という学者をご存知ですか?

     

    白川静は、日本の著名な漢字学者であり、文字学の分野において顕著な業績を残した人物です。

    彼の研究と貢献は、漢字の起源と発展に関する理解を深める上で重要な役割を果たしました。

     

    白川静は、漢字の起源と発展に関する独自の研究で知られています。彼は従来の漢字研究に満足せず、甲骨文字などの古代文字を基に新たな解釈を提案しました。

     

    彼は、8,000字のうち約1/4が人体に関連する漢字であると調査しました​​。

     

    今日は、そんな白川博士の研究から、研修という言葉や、修士、修練などでお馴染み「修」という漢字の意味を取り上げます。

     

    「修」は、古代の文字に由来し、人間の手や行動を象徴しています。白川静博士の研究によれば、漢字の多くが人間の体の一部を基にしています​​。

     

    この字は、自己を磨く、改善するという行為を示しています。文字自体が、成長と発展のプロセスを象徴していると言えるでしょう。

     

    白川静博士による「修」の字の解説は、科学的介護の学びと実践における重要な教訓を含んでいます。

    この漢字は、「人の背中に教える者が、水をぶっかけている様」を表しており、これは学習と成長の過程において非常に象徴的なイメージです。

     

    想像してみてください。

     

    あなたは広い庭で、植物を育てることを学んでいる新米の庭師です。この庭は、科学的介護の分野を表しています。

     

    最初は、植物の種類や必要な水や肥料の量を理解するのが難しいかもしれません。これは、科学的介護の初期段階で、高齢者生理学の基礎知識や技術を学ぶことに相当します。

     

    ある日、あなたの師匠(教える者)が背後から突然水をかけてきます。

     

    最初は驚くかもしれませんが、これは新しい知識や技術、そして時には予期せぬ状況への対応を学ぶことを意味しています。

     

    介護の現場では、予測できない状況や新しい課題に直面することが多々あります。水をかけられることは、これらの挑戦や学びの機会を受け入れ、それに対応する能力を身につけることを象徴しています。

     

    次第に、あなたは水やりの正しい方法を学び、植物が健やかに育つようになります。

     

    これは、科学的介護のスキルを磨き、患者のニーズに対応する能力を高めることに対応します。

     

    植物が成長し花を咲かせるように、あなたの科学的介護技術も成熟し、入居者・利用者の生活の質を向上させることができるようになります。

     

    最終的に、あなたは自分自身が師匠のようになり、新しい庭師(新卒・中途採用介護職員)に知識と技術を伝える立場になります。

     

    これは、科学的介護における経験の蓄積と知識の伝承を意味しており、法人における持続可能な成長と発展を象徴しています。

     

    このように、「修」の字が表すように、科学的介護は常に新しい知識の獲得、未知の挑戦への適応、そして経験の共有という過程を経て成長します。

     

    白川博士の解説が示すように、学びと成長の過程は時に予期せぬ形で訪れますが、それに対応することで、より高いレベルの専門性と能力を身につけることができるのです。

     

    「人間は負担と負荷がなければ成長することは難しい」という考え方があります。

     

    これは、挑戦や困難に直面し、それに対処する過程で新たなスキルを獲得し、個人的な成長を遂げるという考え方です。

     

    これは「修」の字が示す教訓とも密接に関連しています。

     

    負担と負荷による成長

    1. 学習と成長のための挑戦: 負荷や負担は、新しい技術を学び、既存のスキルを強化するための重要な刺激となります。これは、未知の状況や困難に直面することで、より適応力が高く、解決策を見出す能力を身につけることを意味します。

     

    1. レジリエンスの構築: 困難や挑戦を乗り越えることで、レジリエンス(回復力)や精神的な強さが築かれます。これは、将来の課題に直面したときに落ち着いて対処できるようになることを意味します。

     

    1. 自己認識の向上: 負担と負荷を経験することで、自分自身の限界と能力を理解し、それに応じて成長のための計画を立てることができます。

     

    「修」の字の教訓との関連

     

    成長のための「水かけ」: 「修」の字が表す、教える者による水のかけられる行為は、予期せぬ挑戦や困難を象徴しています。このような経験を通じて、人は新しい状況への適応力を養い、成長することができるのです。

     

     

     

    では、また!