トップダウンそれともボトムアップ? | ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社

ブログ

  • ブログ2023.04.03

    いつもお世話になっております。
    PHJの堀内です。

    最近、お客様とのお話の中で、冒頭、このように言われる方が複数いらっしゃいます。

    「うちは、トップダウンではなく、現場の意見を大切にしているから。」(笑い)

    たぶん、以前のメルマガで、私がこのように書いたことに対するご回答なのだと
    思います。

    民間企業で、上司の指示を拒否することは、〇〇ですね。
    官庁では、上司の指示は、絶対ですね。
    日本には、もう一つ、特別な組織が存在するようです。
    「社会福祉法人」?
    経営者のお仕事の指示を聞かなくても良い、組織のようです。
    また、経営者も、「現場の声」には、方針を変更しなければならないようです。
    不思議な組織ですね。
    現場が意見を述べることを、まったく否定しませんが・・・・・。

    さて、「トップダウン」「ボトムアップ」
    どちらも、企業などの組織を良くしていくため、将来どのような方針を採っていくかを決定していく方法のことです。
    トップダウンとは、組織の頂点(トップ)、つまり代表取締役やその周辺の役員が、組織に関する将来の方針を決定し、その方針が業務命令や指示などのかたちで、一般の従業員へと下っていく(ダウン)経営のあり方を指します。
    メリットは、
    1.意思決定のスピードが早い
    2.方針の一貫性が保たれやすい
    3.経営能力に長けた少数のトップさえいれば成立する
    デメリットは、
    1.視野の狭い従業員が増える
    2.不満を抱える従業員が増える
    3.現場が抱えるリアルな課題が、経営に反映されにくい

    一方、ボトムアップとは、
    組織の底部(ボトム)、つまり現場社員からの意見や提案を吸い上げて(アップ)、それらを判断材料として経営陣が組織全体の方針を決定していく経営のあり方を指します。
    メリットは、
    1.仕事に意欲があり、自ら考えて行動する従業員が増える
    2.離職率が低下する
    3.現場の課題が、組織全体の課題として共有される
    デメリットは、
    1.組織の意思決定が遅くなりやすい
    2.経営方針に問題が生じるおそれがある
    3.視野の広い社員がいなければ成り立たない

    結論。
    トップダウン経営とボトムアップ経営には、それぞれでメリットとデメリットがあります。
    そのため、どちらか片方だけが素晴らしいわけではありません。
    経営陣がトップダウンを行うときも、可能な限り、現場の意見を吸い上げるよう努力すれば、トップダウン経営のデメリットは解消されます。
    一方で、ボトムアップ経営を進めるときも、部分的に経営陣が即断即決する場面を採り入れれば、組織の意思決定が遅いためにライバル企業に出し抜かれるリスクを減らすことができます。

    過日のメルマガで申し上げたかったことは、「トップダウン」と「ボトムアップ」という方法について、社会福祉法人様に苦言をしたのではありません。
    リーダーシップが欠如していることを申し上げたかったのです。
    リーダーシップと似ている言葉としてマネジメントがあります。
    目的を達成するために必要な能力という意味では同じですが、完全に同意義というわけではありません。
    リーダーシップはメンバーを適切に導く能力であり、マネジメントは目的を達成するための方法を考えて管理をする能力です。
    そうです。
    リーダーシップ、マネジメントの能力の欠如を書かせていただきました。

    まだ、その余韻があると思いますが、
    WBCで、日本代表の栗山監督は、トップダウンの方法、ボトムアップの方法どちらの方法を選択されたと思われますか?
    あるトーク番組で、
    「ダルビッシュに、途中交代もあるけどと、ドキドキでお話したたんです。
    そうしたら、監督の好きにしていただいて、結構です。と言ってもらって、安心
    しました。」(笑い)
    栗山監督は、本当に気遣いの人ですね。
    優勝後、一人一人の選手にお礼をしている栗山監督の姿をニュースでも拝見しました。
    結果論ですが、
    不調であった村上選手を信じ、最後まで起用し続けました。
    村上選手も「監督の期待に応えたいと頑張りました。」と。
    トップダウンかボトムアップか?
    優勝するという方針を決定し、それを貫き、選手の起用などの一貫性は、監督のみが、その責任と権限を持っています。
    トップダウンです!

    それよりも、
    先程のトーク番組で、
    名将野村監督の言葉を紹介されていました。
    「監督の器以上に組織は大きくならない」と。

    名将野村監督の組織論の原則。
    「リーダーは判断力、決断力を付けること。その根底にあるのは信頼感。戦略や戦術を練ること。これが説得力、指導力、統率力につながる。『チームを強くするためには、監督自身が成長、進歩しなければならない』。」を紹介されていました。
    (このことは、以前のメルマガでも紹介しました。)

    政府は、2027年度を目処に、ADL維持改善、日常生活に必要な動作の維持・改善といった成果を重視する仕組みを介護報酬制度に創設する方針との報道から問い合わせが殺到しています。

    その際には、このようにお話ししています。
    自立支援介護を導入し定着するまでには、弊社の経験で、3年、いや4年は必要です。
    特に、社会福祉法人様。
    なぜか?
    組織のマネジメントの確立からスタートしないとダメなんです。
    組織の方針の周知、上司の指示が徹底できるという当たり前の組織にする必要があります。
    過去、自立支援介護が定着しなかったご経験をお持ちの法人様は、お分かりですね。
    そして、専門職を含む職員のリスキリング。徹底した介護倫理の教育。
    と・・・・・・・・。

    介護業界の経営者の皆様!
    自立支援介護に取り組むには、今からスタートすべきです。

    リマインドでした!