職員への「教育」で、最も重要なのは「思想の教育」である | ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社

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  • ブログ2023.03.29

    いつもお世話になっております。

    PHJの谷本です。

    今回は、森嶋通夫著「なぜ日本は没落するか」<1999年発表>から引用した文章を紹介します。

    ・動物の場合は、死んでいく動物と生まれてくる動物にほとんど差がない、そのため「動物の集団の質」も一定。しかし、人間の場合は、異なる。

    ・なぜなら、人間の場合は「文化」の影響を受けるから。死んでいく人間と生まれてくる人間では「身につけている文化」が異なるので、自ずと「集団の質」も異なってくる。

    ・しかし、欧米諸国では文化の変化はそれほど大きくない。自国内での自発的な変化が大部分で、よそから文化を移入するとしても、その「よそ」もまた欧米文化の伝統の中にあるから、移入による文化の変化は大きくない

     

    ・だが、日本の場合、死んでいく老人が日本的な文化を身につけており、生まれてきたものは欧米文化をより多く身につけるとするならば、出生と死亡がもたらす文化的交替は「集団の質を激変」させることになる。

     

    ・戦前は忠君愛国、挙国一致を促進させるような教育が行われた。国民道徳の規範は政府によって一方的に定められ、学校は産業側の需要に応じうるように、多様化されており、高等教育も高給職に将来就く人を供給するだけに制限されていた。だから大学はエリートを養成するためのものだった。

     

    ・こういう教育体制は占領軍によって破壊された。

    ・中等教育は複線路線ではなく、特殊な職業に適した専門家された学校を最小限にしか許さない単線路線のものにさせられた。

    ・その上、高等教育機関はエリート養成のための専門教育ではなく、市民のため国民のための高い水準の教育をつける所と考えられるようになった。

    ・国家が必要とする高い知識を生徒や学生に教え込むという姿勢は教育の場から一掃され、「自由主義」「個人主義」が教育の根幹となった。

     

    ・切り替えは円滑ではなかった。戦後の思想教育〜「自由主義」と「個人主義」は、それまでの「全体主義」と「国家主義」の教育をしていた教師によって教えられたからである。「自由主義」や「個人主義」がはみ違えられることが多く、誤解されたこれらの主義は、好ましくない影響を被教育者(子どもたち)及ぼす。だから欧米の学校では「自由主義」「個人主義」とは何であって、何でないのかについて徹底的な議論が教室で生徒相互間、生徒と教師の間で行われるのに、日本ではそういうことはほとんど行われなかったと言える。教師自身がそれらについて無知に近かったからである。

     

    ・更に、戦後日本の学校で教えられた欧米的な価値観が、胡散臭い代物であったことを指摘しておかねばならない。「個人主義」と「利己主義」が不分明のまま教えられていた。「自由主義」は、「アナーキニズム(無政府主義)」に繋がりかねない教義として教え込まれた。

     

    ※アナーキニズム:国家権力や宗教など一切の政治的権威と権力を否定し、自由な諸個人の合意のもとに個人の自由が重視される社会を運営していくことを理想とする思想。無政府主義といわれる。国家機構に代わる、労働組合を通じて労働者が社会に参画することをめざす、アナルコ・サンディカリズムにつながっていく。

    大変、長文を引用しましたが、このような背景で、今、皆さんが経営する法人に、ご縁があって多くの戦後日本民主教育を受けた方々が集まっているわけです。

     

    マネジメントを属人的に行なって、機能するはずがない。

     

    「個人主義」を「利己主義」で良いのだと勘違いした人たちが、「利他の精神」を自然と持っている可能性は低い。だから経営者が自然に身を任せて現場任せにしておくと「利用者本位」ではなく「職員本位」になっていく。

    「アナーキニズム(無政府主義)」が「自由の謳歌」と勘違いした人たちが、経営者判断に反旗を翻す。

    無政府主義ですから・・・・。

     

    よって、「科学的なマネジメントメソッド」により、「リスキリング」が必要なのです。どんな社会福祉法人も株式会社も有限会社も、ときに医療法人も、です。

     

    「リスキリング」とは、この場合「思想教育」と同義だったりするわけです。

     

    「思想教育」とは、一人ひとりの「モノの見方と考え方」を再教育するということです。

     

    日本人だからこそ必要なのです。

     

    アジア外国人人材を採用されている法人様なら、同感してくれるはずです・・・・・・。

    (全国の経営者様から「日本人よりも断然良い・・・・」という心の声が渦巻いています。)

     

    しかし、諦めず、やり直しましょう。日本人への再教育を!