社会福祉法人の理事長〜あなたは天皇か、それとも大統領か? | ポスト・ヒューマン・ジャパン株式会社

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  • ブログ2023.02.17

    いつもお世話になっております。
    PHJの谷本です。

    加藤周一という著名な評論家がかつていました(1919年(大正8年)9月19日 – 2008年(平成20年)12月5日:日本の評論家、小説家。医学博士<専門は内科学、血液学>)。
    共著の「日本文化のかくれた形」という著作で、日本人の行動様式に言及しています。
    以下引用します。

    「中国や西洋と比較して、時にはその他の社会と比較して、日本の文化と社会、あるいは日本人の行動様式、あるいはその背景にあると思われる日本人の意識の構造、そういうものにある種の特徴があると言われてきました。確かによそにはなくて、日本にしかありそうもないこと、そういう現象があります。例えば、地下鉄の駅に拡声器があって『ドアが閉まりますから、挟まれないようにご注意ください』という。故障のない限りドアは閉まるに決まっているわけで、日本以外の社会でならば、閉まらない時にはアナウンスすると思いますけれども、閉まる時にはいちいち言わない。まして挟まれないように気をつけろ、というのは、おそらく幼稚園の遠足の場合に限るでしょう。」

    (日本人の傾向性には、「甘えの文化」、「依存文化」が背景にあるといわれていますが、よくいえばバカ親切、悪くいえば人を甘えさせる傾向があるのでしょうか。)

    再び引用します。

    「また例えば、政治的な面では明治以後の天皇制も独特でしょう。最高の権威があって、実権がない。万事の責任者であって、何事にも責任がない。そういう型が、社会の様々な水準の、様々な組織に共通しているということ。とにかくそういう風に日本の社会文化の特徴がいくつも指摘されてきたけれども、それをどういう観点から統一的に理解することができるか。」

    この文章を以前読んだ時に、「社会福祉法人理事長のあるあるだ!」と感じてしまいました。

    非常勤の理事長っていらっしゃいますけど、経営者で非常勤ってどういうことですかね?
    あと常勤の理事長の経営方針が「施設長に全権委任!」っていう天皇みたいな理事長が結構散見されます。

    大きな社会福祉法人で特別養護老人ホームを5つ経営している、で、ケアの方針が特養ごとにバラバラ。曰く、「施設長の主体性に任せてます!」で、ケアの質が最悪な特養が7割・・・・みたいな。

    これ、ノーマネジメント!ですね。
    経営責任のレグレクトです。
    何かあって善管注意義務を問われたとき、100%勝ち目はないかも・・・・(詳しくは弁護士先生にご相談を)。

    経営者は天皇であっては、確実に組織をおかしくします。というか、おかしくなっているはずです。
    例えていうと、経営者は、リアルに米国の大統領的な機能を求められます。

    組織における「位置」を示す「役割」には、「責任」が紐づいており、その「責任」を果たすために「権限」が付与されている。その「権限」を行使しない理事長は、「ポピュリズム政治家」と同等です。無責任ということです。

    ・法人及び施設ごとの「ゴール」「ビジョン」を定量的に示すのは理事長の仕事(現場・施設長ではない)
    ・介護の質を向上させるための「人・モノ・金・情報・時間」をどう使うか、投資をどうするかは理事長の発案と権限(もちろん理事会通す必要があれば通す、理事長専決でいけるものはどんどん進める)
    ・入口は民主主義的に(材料・事実・現場の知恵=意見の集約は行う)、出口は理事長(または理事会)で独断決定する〜責任があるのだから権限行使は当たりまえ、現場は責任取れません。視野・視座・視点が経営者と現場では一緒な風景・景色は観ることは不可能だから。
    ・理事長が全ての経営資源で一番重要視するべき資源は「時間」。時間の浪費とは「先送り」
    即断即決!

    引用:孫子

    兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧の久しきを睹ざるなり。

    →(現代語訳)
    戦では拙くても速やかに進めたという話はあっても、巧に戦を長引かせる事はない。

    世のため人のために、高齢者の尊厳を護るために、理事長は堂々と、かつ迅速に、「権限」を行使してください!

    では、コマーシャルです!!

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    P.S.経営者以外の方、ご参加されても、お時間の無駄と思われます。ご遠慮ください。
    法人・会社を変えるためには、順番があります。
    1番目は経営者が自己認識を変えること、その次が現場の皆様の出番です。
    経営者が判断する前に現場の皆様が学んでも、現実は変わりません。悪しからず。

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